ヘッド博士の世界塔



ヘッド博士の世界塔
ヘッド博士の世界塔

商品カテゴリー:インディーズ,歌謡曲,演歌,音楽,ミュージック,ポップス,JPOP
収録曲:ドルフィン・ソング, グルーヴ・チューブ, アクアマリン, ゴーイング・ゼロ, スリープ・マシーン, ウィニー・ザ・プー・マグカップ・コレクション, 奈落のクイズマスター, 星の彼方に, 世界塔よ永遠に,
セールスランク:4560 位
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アシッド・ジャズ、マンチェスターブームをはじめとするUKインディー・シーンの動きとシンクロするかのように、退廃的で快楽的な空気感が詰まったラストアルバムである。
「サンプリング」の手法をフル活用、ありとあらゆる過去の音源を巧みに構築したポップ・ワールドは、リリース直後から多くのプレスに絶賛され、「90年代のサージェント・ペパーズ」などと評された。すべての意味を拒否するかのような歌詞から発せられる圧倒的な虚無感も、多くの解釈や議論を生んだ。この作品をリリースした直後、彼らは突然の解散を発表した。(森 朋之)



80年代の総決算

洋楽のへヴィ・リスナー
勢いのある小山田圭吾と小沢健二という二人のやんちゃな天才少年が作った怪物作品
当時の巷に溢れる大衆音楽がさぞうっとおしかったに違いない
そういう気持ちが切に伝わって来る。

しかしコーネリアス世代の人間が立ち戻って聴いてみてもまったく古臭くなく
マンチェスター風のサウンド(ストーン・ローゼズ)を特に意識したメロディセンスが
とにかく気持ちいい。最高だ
ふわふわっと

最近になってフリッパーズギターがあのオザケンとコーネリアスで構成されていたことを知ってびっくり。
それでは多大な影響を与えているのも当然だと思いこのアルバムを手に取ったが、流石としか言いようの無い出来だった。
全体的にふわふわとしたサンプリングなどによるアレンジや、非常に高いポップセンス、
当時のバンドブームの中では圧倒的だったと思う。
まあ少し古臭さはあるがそれが良かったり、それを差し引いても名盤。
ポップな曲を作ってる方々が邦楽で影響を受けるべきなのは彼らかトライセラトップスでしょう。
天才が一生に一度だけ作る事のできる名盤・・・

このアルバムが発表されフリッパーズが解散した時、日本のロック/ポップスは終わった、と思った。いや、日本の音楽に夢を持てなくなる、と言った方が正しいかも知れない。まぁ、どっちにしても少なくとも今後10年間これ程までに私を夢中にさせてくれる音楽と出会う事はないだろう、と漠然としながらも確固たる想いが私の胸に湧きおこったのは事実。これが91年当時の私の素直な感想、嘘偽りの無い正直な想いだった。

そして90年代の邦楽は悲惨を極めた。全ては歴史が証明している。

日本のロック/ポップスは「J?POP」という適当で曖昧な名称で一緒くたにされ、輸入盤専門店だったタワレコも資本の波に逆らう事ができずに「J?POP」を店頭に並べるようになり、その「J?POP」はフリッパーズの幻影を追い求める「渋谷系」と、あくまでビジネスライクに徹する「AVEX(&KT)」勢との覇権争いになるも、「渋谷系」は音楽好きを対象に「聴きたい奴だけ聴けばいいさ」と至ってクールな姿勢を崩さなかった代わり、「AVEX」勢は音楽に興味のない一般層をマーケティングの対象として戦略を展開する。その結果、小中高生はおろかイイ年こいたオトナまでもを取り込む事に成功する「AVEX」勢。そんなカネの亡者とも言える「AVEX」勢に、ビジネスライクに徹しきれず音楽に純粋すぎた「渋谷系」が覇権争いで敗れるのは当然と言えば当然。こうして「AVEX」帝国は誕生し一時代を築く事となる。ただ、これは時代を象徴する出来事であって「渋谷系」を責める事は出来ないし、もちろん「AVEX」勢を責める事もできない。時代の波に立ち向かう事のできる救世主を失った後のマーケットが只単に資本の手に委ねられただけ、なのだから。

当時、このアルバムを初めて聴いた時の衝撃をどう説明すれば良いか・・・。グルーブチューブを録音した際にフリッパーズは「これで天下取った!」と発言したそうだけど、これは奢りでも何でもなく正直な気持ちだったんだろうと思う。だって、この曲を越える曲なんて当時考える事も出来なかったしね。世間的にはどうか知らないけど、このアルバムで間違いなくフリッパーズは「天下を取った」のだと私は確信している。それ程までに、このアルバムには「特別な何か」が孕んでいたのだ。この時、間違いなくフリッパーズの二人は「天才」だったのだと思う。

たまに、フリッパーズは何故解散したのか?と想いを馳せる事がある。そんな事に何の意味もない事は分かっている。でも、もしフリッパーズが解散しなかったら日本の音楽はどうなっていたのか?、歴史はどうなっていたのか?、なんて一人妄想するのも悪くない。だって、多くの音楽リスナーにとって興味深い事だろうし、まぁ、何と言っても単純に楽しい。そして、結論。多分フリッパーズの二人はこのアルバムを越えるモノを作れない、と諦めたんじゃないかな。なんて、そんな結論に落ち着きつつある。えっ?、そんなバカなって?。分かってる分かってる(笑)。だけど、試行錯誤の末に一番納得できた回答がこれだったのだ。そう結論付けた方が気持ちよく全てを納得できると思わない?。フリッパーズギターを愛する一人の人間として。
小沢も小山田も、いまだにこのアルバムを超えていないと思う。

ありふれた言い方になるが、10代後半から20歳過ぎあたりの前後数年間だけに、
とりわけリアルに感じられる倦怠感や憧憬、スピード感といった相矛盾する感覚を、
途方もない密度と完成度で歌い上げてしまったのが、このアルバムだと思う。

前作とはうって変わって、サンプリングを多用しつつ緻密に練り上げた楽曲と、
あえてスカしたところに、かえって甘やかさを感じさせる歌詞の双方が素晴らしく、
リリースからすでに15年ほどが経った今も、このアルバムに肩を並べる水準のものは、
ほとんど出ていないのではないか。

元メンバーである小沢と小山田の2人にしても同様で、
ハジけまくっていた短い一時期を経て、内向性を強めつつある小沢と、
渋谷系から一転、音色のマエストロ的な方向に突っ走りつつある小山田の、
2人ともが、いまだに単独では『世界塔』を超える作品を作り出していないと思う。

どのバンドにしても、その内部の人間関係というのは不思議なもので、
今、同じものを作れと言われても作れないだろうし、作りたくもないはずだが、
当時はなぜかそれが出来てしまうような条件が揃っていて、
それは同じ形では、二度とは戻らないということなのだろう。
(なんだか書いているこっちまで、パーフリ調になってきた(笑))

その後の2人に共通するのは、「実は歌が下手」という自覚でもあるのか、
歌える歌詞をほとんど、あるいは全く書かなくなってしまったことだが、
もうすぐ40代を迎えつつある彼らが、これからどんな展開を見せてくれるのか、
また、真に『世界塔』を超えたと言えるような作品を生み出せるのか、
それなりに気になる存在であり続けることに変わりはないと思う。
浮遊感漂う、めくるめく音の洪水

ギターの音までもざわざわサンプリングした異色アルバム。
レコーディングで一番苦労したのはネタ探しだったらしい。
ファンは今でもサンプリングの元ネタ探しに必死なようである。
ラスト曲がアルバムの最後を締めくくるだけのような内容なのに、
結果的にバンドの締めくくりを示唆しているようになってしまったのが何とも言えない。
この後もバンドが続いていたらどういうアルバムを発表していたのか、
考えると気になって仕方がないくらいに完成されたアルバム。



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